スマートフォンの進化は、いつの間にか「見るための道具」としての完成度ばかりを追い求めるようになってしまいました。巨大なディスプレイ、高精細な動画再生、そして際限のないSNSのタイムライン。その一方で、僕たちが誰かに言葉を伝え、思考を整理するための「書くための道具」としての進化は、どこかで止まってしまっていたのかもしれません。
CES 2026でClicksが発表した「Communicator」は、そんな停滞した空気感に風穴を開けるような、極めて挑戦的なデバイスです。iPhoneのアクセサリーメーカーだと思っていた彼らが、自らAndroidスマートフォンを作ったという事実。そしてその中身が、ガジェット好きのツボをこれでもかと突いてくる「変態的」とも言えるスペックの塊だったことに、僕は興奮を隠せません。
4.03インチ、4,000mAh。数字が物語る「実用性」
現代の基準からすれば、4.03インチのAMOLEDディスプレイは驚くほど小さく感じるでしょう。しかし、実際に手に取ってみると、その判断がいかに合理的であるかが分かります。
このサイズは、片手で包み込むようにホールドした際、親指が画面の端から端まで無理なく届く絶妙な設計です。昨今のスマホのように「持ち直す」という無駄な動作が必要ありません。さらに、解像度は文字の読みやすさを最優先にチューニングされており、小さな画面ながらも情報の密度は非常に高く保たれています。動画を消費するための大画面ではなく、メッセージを処理するための機能的な小画面。この潔さこそが、Communicatorのアイデンティティです。
4,000mAhの「シリコンカーボン電池」がもたらす革新
このコンパクトな筐体(高さわずか131.5mm)に、どうやって4,000mAhものバッテリーを詰め込んだのか。その答えは、最新の「シリコンカーボン電池」技術にあります。
従来のグラファイト電池に比べ、シリコンカーボン電池はエネルギー密度が飛躍的に向上しています。これにより、薄型軽量化(わずか170g)を実現しながらも、一日中フルにキーボードを叩き続けても余裕のあるスタミナを確保することに成功しました。
これにMediaTek製の最新4nmプロセスチップセットが加わることで、電力効率はさらに最適化されています。メッセージのやり取りという、本来スマートフォンが最も得意とすべき「軽いけれど頻度の高い」タスクにおいて、このデバイスは無敵の持続力を発揮します。

入力デバイスとしての完成度:タッチセンサー内蔵キーボード
Clicksの真骨頂である物理QWERTYキーボードについても、一切の妥協がありません。指先に馴染むよう計算されたキートップのカーブ、そしてカチッとした心地よいクリック感。
さらに驚くべきは、このキーボード自体が「巨大なトラックパッド」としても機能する点です。静電容量方式のセンサーがキーの表面に内蔵されており、画面を触ることなく、キーの上を指でなぞるだけで滑らかなスクロールが可能です。ブラウジング中、指で画面を隠してしまうストレスから解放される体験は、一度味わうと戻れなくなるでしょう。スペースキーに統合された指紋センサーも、手に取ってから操作開始までのスピードを劇的に高めています。
現代のハイエンドが捨て去った「全部入り」のロマン
Communicatorのスペック表を眺めていて、思わず目頭が熱くなったのがインターフェースの充実ぶりです。

現代のフラッグシップ機からは絶滅してしまった3.5mmイヤホンジャックを堂々と搭載。お気に入りの有線イヤホンで、遅延のないクリアな音質を楽しみながら執筆に集中できます。さらに、最大2TBまで対応するMicroSDカードスロットも完備。クラウドストレージの容量を気にすることなく、数年分のテキストデータや高音質な音楽ライブラリをすべてローカルで持ち歩くことができます。
加えて、側面には物理的な「キルスイッチ」が配置されています。航空機内モードへの切り替えや、プライバシー保護のためのカメラ・マイク遮断など、自分自身でデバイスを完全にコントロールしているという感覚。これこそが、僕たちが求めていた「道具」としての安心感ではないでしょうか。
Android 16とNiagara Launcherの融合が生む「Message Hub」
ソフトウェア面でも、Communicatorは独自の道を歩んでいます。ベースとなるのは最新のAndroid 16。ここに、ミニマルな操作性で知られるNiagara Launcherとの共同開発による「Message Hub」が組み込まれています。
Slack、Discord、WhatsApp、LINE、メール。あちこちのアプリに散らばった通知を一つのタイムラインとして整理し、物理キーボードで一気に打ち返していく。このフローの心地よさは、もはや快感です。

そして、サイドのPrompt Keyに仕込まれた「Signal LED」も見逃せません。特定の相手やアプリからの通知を、独自の色やパターンで静かに知らせてくれるこの機能。画面を点灯させて情報の渦に飛び込む前に、一呼吸置いて「今、対応すべきか」を判断できる。この情緒的なスペックこそが、デジタル・デトックスと実用性を両立させています。
結論:これは、スマホ疲れに対する技術的回答だ
499ドルという価格に詰め込まれたのは、最新の4nmチップ、次世代バッテリー、そして僕たちが愛してやまない物理キーボードと拡張ポート。Clicks Communicatorは、単なる二台目のスマホではありません。情報に振り回される現代において、自分の言葉を取り戻すための「知的な武器」なのです。
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